先だって記事にしたベックマンの品番移行の件。
様々な憶測を呼んだあのカタログの一文ですが、予告されていた2018年を迎えて、その真相が明らかになりました。
レッドウィング・ジャパンの公式オンラインストアの商品ページに以下の説明が追加されたのです。
従来、イタリアおよびメキシコのソールメーカーで製造していたベックマンのソールを、この度、米国のレッド・ウィング社の工場で自社製造することになりました。それに伴い、商品の品番が9011から9411に変更となります。また、ソール底面前部の素材がラバーに変更となります。
– レッドウィング 公式オンラインストアより引用
この内容だと、先ほどの予想記事の④に該当する変更のようですね。ソールのことも言い当てているあたり、我ながら良い勘をしています。
具体的な変更箇所は?
追加説明中のイタリアのソールメーカーというのはビブラムでしょうか。
従来のベックマンブーツに使われているハーフラバーはビブラムRoccia(ロッチア)のはずですから、これが自社製ソールに替わるということなのでしょう。
では、もうひとつ挙げられているメキシコのソールメーカーというのはどの部材を作っているメーカーなのでしょうか。
この仕様変更で、レザー部分とヒールパーツは変わらないという情報が入ってきているので、必然的にハーフラバーということになりますね。
オックスフォードなどに使われている、あの薄くて彫りの浅いロゴ入りハーフラバーでしょうか?
もしくは従来のハーフラバーはイタリアのビブラムとメキシコのメーカーの両方から供給されていて、混在していたという可能性もありますね。
何のための品番移行?
例えばブラックチェリーのベックマンが、誰もが慣れ親しみ、憧れの対象にもなっている品番「9011」でなくなってしまったのは正直なところとても残念です。
部材の供給元が変わったことにより、マイナーチェンジ扱いで品番を維持することができないという側面もあるのかもしれませんが、レッドウィングとしては代表モデルの品番変更となると、在庫管理やプロモーションなど商売上のデメリットも多いのではないでしょうか。
では、なぜこの仕様変更に踏み切ったのでしょうか。
耐久性アップのためか
一部ではメキシコからの供給が不安定だったためという説明がなされているようですが、本当のところは違うのではないかと睨んでいます。
それは「ソール底面前部の素材がラバーに変更となります。」の一文から推測することができます。
実は、以前からベックマンのソールは耐久性に難があると言われてきました。
というのも、従来のハーフラバーにはウレタンが使われており、使用状況によって加水分解を起こしてしまうことがあるのです。
ラバーに変わるということは、加水分解を心配することなく、長く快適に使えるようになるということです。
設備投資をして自社製ソールに切り替え、売れ筋の品番を変えてまで耐久性にこだわるレッドウィングの姿勢には、ワークブーツメーカーのプライドのようなものを感じます。
確かに品番が変わるのは寂しくもありますが、ファンとしてレッドウィングが下した英断を歓迎することにしましょう。
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