靴を買いました。
今回は海外から取り寄せです。
USPSのロゴを見るとかつてのサイクルロードレースの興奮とその後の落胆を思い出します。
さて、アメリカから届いたこの包みの中身は、、、
もちろんレッドウィングです。
アメリカから直接届くレッドウィングというのはこれが初めてですが、なかなか良いものですね。
エンボスベックマン 9030
今回買ったのはこちらのブーツ。
あまり見慣れないブーツだと思いますが、一応ベックマンシリーズの一足で、エンボスベックマンと呼ばれるブーツです。型番は9030。
北米とヨーロッパで5〜6年前に発売されて、国内正規販売されることなく終売してしまったモデルなのですが、先日ブラックチェリーのジラードブーツを手にしたときに、これのブラウン系があれば、、、と思った瞬間に思い出したのです。
即座に在庫を探すもどこにも見つからず、時すでに遅しかと諦めかけたその時、シューポップさんに奇跡的にマイサイズが残っているのを発見。めでたく入手に成功しました。
シューポップさんはレッドウィングやホワイツ、ウェスコ、ダナーなどのアメリカンブランドを現地で直接買い付けて発送してくれる輸入代行ショップです。
先日発売されて話題になっているコンビセッター8819もシューポップさんで購入可能です。【レッドウィング】2018FW 海外の動向まとめ オロラセット裏表コンビセッター8819他夏真っ盛りのこの時期、ブーツのことは頭から離れてしまっている方も多いと思いますが、国内外でレッドウィ...ShoePop/シューポップ ★ インポートショップ/並行輸入/輸入代行ホワイツ、ウエスコ、ショット、バンソンならシューポップ!!!
エンボスベックマンとは
エンボスベックマンはその名の通り、エンボスモックのベックマンブーツです。
並行輸入のレッドウィングはアメリカのプライド(誇り)もそのままに手に入れることができるのです。
そもそもなぜジラードブーツでエンボスベックマンを思い出したかと言いますと、この2足とても似ているのです。
そのジラードブーツとの比較も交えながら、他のベックマンシリーズとも少し違う、エンボスベックマンならではのディテールを見て行きましょう。
エンボスモック
ベックマンシリーズの中には9010などモックトゥのベックマンも存在しますが、エンボスベックマンはモカ縫いがエンボスモックになっているのが特徴です。
エンボスモックはすくいモカとかつまみモカなどと呼ばれる製法で、一枚の革をつまむように縫い上げます。レッドウィングだとワークオックスフォードやスーパーソールにも採用されています。
2枚の革を縫い合わせる合わせモカと違いモカ割れすることがなく、よりスマートな雰囲気に仕上がるのが特徴です。
ジラードブーツの場合はワンピースモックと呼んでいますが、エンボスモックと同じすくいモカです。
公式のディテール説明によるとジラードブーツのワンピースモックは特殊なミシンを使い、エンボスモックより上品に仕上がるとされていますが、並べてみるとどうでしょうか。
判断が難しいところですが、確かにジラードブーツの方がエンボスが細めで仕上がりがキレイでしょうか。
ラスト224
ジラードブーツがポストマンと同じラスト210であるのに対して、エンボスベックマンはラスト224。
ラウンドトゥベックマンのラスト8や合わせモカベックマンのラスト23は有名ですが、この聞きなれない224という木型は何なのか。
実は、かつてベックマンシリーズのためだけに開発された専用木型なのです。
私の手持ちではベックマンチャッカ9017が数少ないラスト224の一足です。
細身で甲が低く、フィッティングが難しいと言われる木型ですが、見た目のスマートさは他の木型とは一線を画します。
アンティークシガーフェザーストーン
この9030に使われているレザーはアンティークシガーフェザーストーンです。
シガーフェザーストーンにアンティーク加工を施した味わい深い色味のレザーです。S.B.フットによる自家加工なので、仕上がりがとてもキレイです。
手持ちの中ではラスト224ブラザーズの9017が同じアンティークシガーを使っています。
エンボスベックマンにはアンティークシガーフェザーストーンの他に、ブラックフェザーストーンの9029も存在しました。
黒も良いですね。
スワンネック & 9アイレット
エンボスベックマンはレッドウィングにはめずらしくスワンネックステッチが入れられています。
スワンネックはエドワードグリーンに代表されるドレスシューズに用いられるディテールです。
間隔の狭い9アイレットと相まって、クラシックドレスブーツの名にふさわしいエレガントな雰囲気に仕上がっています。
9アイレットといえばジラードブーツも同じ9アイレットですが、ジラードブーツにはスワンネックステッチは入っていません。
ですが、こうして並べてみるとジラードブーツはエンボスベックマンをベースに開発されたであろうことがよく分かります。
ベックマンソール
エンボスベックマンのソールは他のベックマンシリーズと同じくレザー&ラグソール、いわゆるベックマンソールです。
ヒールパーツは直付けではなく、レッドウィングにはめずらしいスタックヒール(積み革)に薄いトップリフトが取り付けられています。
ベックマンソールは彫りの深いのと浅いのの2種類ありますが、エンボスベックマンは深い方でした。
浅い方の9017と比べると違いがよく分かります。
浅溝の方にはRED WING SHOES®︎のロゴが入っています。手持ちの中で浅溝はこのベックマンチャッカ9017とベックマンオックスフォード9046だけなので、国内正規取扱モデルには使われていないソールなのでしょう。
おそらく靴のボリュームに合わせてバランスを取っているのだと思いますが、個人的にはオックスフォードであっても深溝の方がワークブーツメーカーらしくて好きです。薄溝は近年になってから導入されたソールなので、それ以前は全て深溝でした。実際に深溝が取り付けられたオックスフォード、チャッカも見たことがありますが、存在感があってカッコ良かったです。
同じ理由で、見た目だけで言えばグロコードメダリオンよりベックマンソールの方が好みではあります。
秋から仕事でブーツ
ジラードブーツに続いて手に入れたエンボスベックマン。
猛暑日の続く夏真っ盛りになぜ立て続けにブーツを買っているかというと、秋から仕事でレッドウィングのブーツを履こうと目論んでいるのです。
2年半ほど前に転職した職場が基本スーツの環境だったのですが、地道な啓蒙活動によってジャケパンが容認されるようになってきました。
トラクショントレッドのブーツは難しいですが、エンボスベックマンやジラードブーツあたりのクラシックドレスだったらそろそろいけるのではと思うのです。
パラブーツもトリッカーズも好きですが、できることならやっぱりレッドウィングが履きたいのです。
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