発表されるや否や大きな話題となっているレッドウィングジャパンの今秋ニューモデル「ベックマン フラットボックス」。
すでに予約を入れたという声が続々と届いています。
さて、海外に目を向けるとどんな動きがあるのか。
意外な新作や、あのモデルが登場するなど、面白いことになっていました。
先芯なしベックマン? Sheldonが登場
まず紹介するのは本国Red Wing Heritageからリリースされた興味深い新作[Sheldon]です。
なんだか見覚えのあるフォルム?
そうです、このSheldonはラスト8の先芯なし仕様。ベックマンフラットボックス(以下FlatBox)と同じ構造のトゥを持つブーツなんです。
ただし、よく観察してみると、このSheldonはFlatBoxとは似て非なる存在であることが分かります。
SheldonとFlatBoxの共通点・相違点
外見上、ラスト8の先芯なしというところまでは同じですが、その他の作りは少しずつ違っています。
FlatBoxとSheldonを並べてみるとこの通り。
FlatBoxが6″ベックマンラウンドトゥと同じアッパー形状なのに対して、Sheldonはスッキリとした印象を受けるカッティングになっています。
具体的にはラウンドトゥの6″クラシックワークのような、トップバンドがなく、なだらかにレースステイにつながる履き口。トゥが長く見えるように深く切り取られたトリプルステッチ部分。
アッパーだけで言えば1年前に登場したMerchantに近い形状と言えますね。
Merchantは近年では初の先芯なしブーツとして登場していますので、むしろSheldonはMerchantをベースに作られたのかも知れませんね。
さて、FlatBoxとSheldonには採用レザーにも違いが見られます。
各シリーズの展開レザーは以下の通りです。
FlatBox
- 9060 ブラッククローンダイク
- 9062 ブラックチェリーフェザーストーン
- 9063 チークフェザーストーン
Sheldon
- 9071 ブラックフェザーストーン
- 9072 ブラックチェリーフェザーストーン
- 9073 チークフェザーストーン
末尾2番と3番は同じレザーとなっていますが、ブラックはFlatBoxが茶芯のブラッククローンダイク、Sheldonはブラックフェザーストーンとなっています。
ブラックだけは各国の消費者ニーズに合わせたチョイスとなったようですね。
アッパーが違えばソールも違います。
FlatBoxがグロコードメダリオンソールなのに対して、Sheldonにはベックマンシリーズに伝統的に使われるビブラムrocciaとなっています。
Sheldonがフェザーストーンにビブラムrocciaという条件を満たしながらベックマンを名乗らないあたりは、ベックマンの名を冠するに当たり厳格な条件が存在するのかも知れません。
また、細かいところでは、FlatBoxは上3段がクイックレース、Sheldonはオールアイレット。
FlatBoxがレザーライニングなのに対して、Sheldonがキャンバスライニング。ただし、Sheldonのかかとにヒールカウンターポケットのステッチがないところを見ると、Sheldonは足首を覆うクウォーターにはレザーライニングが施されていると見て良さそうです。
ちなみにこのSheldonという名前、人名や地名に使われることが多いそうなのですが、語源をたどると「頂部が平らな丘」という意味があるそうで、先芯のない平らなつま先になぞらえてネーミングしたことが窺えますね。
日米で同シーズンに発売される似て非なる2つの先芯なしブーツ。
ブラッククローンダイクのSheldonが出ればな、、、なんて思うのは私だけでしょうか?
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