今シーズンも数々の魅力的な新作をリリースしている北米、欧州のレッドウィング。
先日クラシックドレスの新コレクションを発表したのも記憶に新しいところです。
そんな海外のレッドウィングから、スペシャルなコラボモデルの情報が舞い込んで来ました。
Red wing heritage x Todd snyder
それがこちら。
Todd Snyder(トッド・スナイダー)との限定コラボ2モデルです。
ツッコミどころが多すぎてどこから手をつけて良いか迷いますね。
まず間違いなく最大の特徴と言えるのが、877パターンでありながら6インチハイトに仕立ててあるというところです。
サイドの切り替えが直線になっている877系ブーツは元来8インチハイトであり、一部の愛好家がシャフトカットで6インチ化している例はあるものの、元から6インチというモデルは存在しません。
その他のディテールを挙げてみると、
- 裏表2トーンコンビ
- レクタングル(四角)バータックステッチ
- スプリットリバースウェルト
- タン刻印
- 四角犬タグ
- レザーレース
と、ディテール満載の特別仕様だということが分かります。
これだけ凝った仕様でありながら、色もチャコール ラフ&タフとカッパー ラフ&タフの2色が用意されています。
ただのレザー載せ替え別注とは次元の異なる今回のコラボモデル。ただならないブーツの登場に新しい可能性を感じます。
これは事件だ
877パターンの6インチハイトが存在しない理由についてなのですが、これは877というブーツが現在のレッドウィングの礎となったブーツであり、リスペクトの対象となっているためだと想像できます。
過去いくつかのレザーバリエーションは実現しているものの、デザインに手を入れることに対しては憚られるような風潮があるのではないでしょうか。
ではなぜ今回6インチなのか。
レッドウィングの長い歴史を見ても、この6インチブーツの登場は決して小さくない出来事、いわば事件です。
レッドウィングに6インチ化を決断させた理由。
それはコラボ相手のトッド・スナイダーによるところが大きいのではないかと思います。
トッド・スナイダーとは
今回のコラボパートナーであるトッド・スナイダーは、2011年にトッド・スナイダー氏がニューヨークで設立した比較的新しいブランドです。
ただ、このトッド・スナイダー氏がただ者ではありません。GAP、ラルフ・ローレン、J.Crewなどカジュアルからトラッドまでアメリカを代表するブランドのデザイナーを歴任しているのです。
勘の良い方ならもうお分りだと思いますが、そのJ.Crewがレッドウィングとのコラボを連発し始めた時のデザイナーがこのトッド・スナイダー氏なのです。
モックトゥのベックマンブーツをご存知の方も多いと思いますが、元々J.Crewがチェスナットのモックトゥベックマン9012を別注したことがきっかけで生まれたシリーズです。
ブラック9015とブラックチェリー9010はたまに見かけますが、チェスナット9012を見かけないのはJ.Crew別注だったからなのですね。
他にもカッパー ラフ&タフの8インチモックトゥや、
マンソンブーツ、
また、最近Asbee限定発売で話題になったネイビーポーテージのブーツもJ.Crewが5年以上前にすでに販売しています。
その他、現在に至るまでJ.Crewは数え切れないほどの名作コラボをリリースしてきています。
相互リスペクトから生まれた名作
トッド・スナイダー氏は自身も1990年台からレッドウィングを履き続けていると言うだけあって、このコラボブーツからレッドウィングへのリスペクトが感じられます。
と言うのも、よく見ると分かるのですが実はこのブーツ、877をベースとしながらも、単にシャフトを短くしただけではないのです。
まず、877と同じループの付くバックステイですが、形状は全く違うものになっています。
また、レースステイの形状も877そのままではなく、875に近い形状に変更されて、7アイレットを確保しています。これは877を7アイレットのところで切るとどういう格好になるか想像してみると違いがお分かりいただけると思います
おそらく、足首からふくらはぎでホールドする8インチブーツに対して、甲まわりでホールドする6インチブーツの形状を取り入れることによって、履き心地まで考慮されているのでしょう。
プラグも幅広の877より小ぶりな875に近い形状になっています。
プラグとタンの縫い合わせもタン側に弧を描く875と同じですし、全体として877を短くしたというより、875のサイドの切り替えを直線にしたと言った方が早いのかも知れません。
このように、トッド・スナイダー側にも877に対するリスペクトが感じられる今作。
そんな相互信頼関係にあるデザイナー、トッド・スナイダー氏だったからこそ、今回のスペシャルブーツが実現したのではないでしょうか。
きっと日本におけるレッドウィング・ジャパンとビームスのような関係なのでしょうね。
今後もアッと驚くコラボが出て来るかもしれません。
残念ながらトッド・スナイダーは東京、横浜、大阪、京都にあった直営店を2017年2月でクローズして、現在日本からは完全に撤退してしまっています。
本国のオンラインストアは日本への発送にも対応していますが、このブーツの商品ページには最終の届け先がアメリカ国内に限ると書いてあります。
ebayでは日本に配送してくれるセラーさんがいますね。
レアブーツゲッターの皆さん、トッド・スナイダーブーツの国内一号になってみてはいかがでしょうか。
そして、このパターンを採用したブーツが今後も出て来ることに期待しましょう。
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