シャンボードを修理に出したことによって仕事でヘビーローテション中のウィリアム。
以前、こちらの記事にシャンボードとの違いを書くと言ってそのままになってしまっていました。
今回ウィリアムをお手入れした時に、修理に出す前のシャンボードとの比較写真を撮ったので、その違いをまとめてみます。
シルエットの違い
まずは見た目の部分でシルエット。
どちらも丸みのあるトゥですが、左のウィリアムの方が土踏まずからボールジョイント部にかけて広がりトゥに向かって細くなるメリハリのあるシルエットに対して、シャンボードはやや寸胴気味の素朴なシルエットになっています。これは履き心地に大きく関係していて、私の足にはウィリアムの方がフィット感が良いです。
また、この写真はかかとの位置を合わせて撮っているのですが、全長ではウィリアムの方がわずかに長いです。サイズはウィリアムがUK8.0、シャンボードがUK8.5とシャンボードの方がサイズが大きいにもかかわらずウィリアムの方が全長が長いのです。ウィリアムの方が捨て寸が多めに取られているようですね。
つま先の形状
靴の表情を決定付けるつま先は正面から見るとこんな感じ。
どちらもノルウィージャンウェルト製法なのですくい縫いのステッチが見えるのが特徴的です。
上から見ると似たようなシルエットのつま先ですが、正面から見ると結構違います。シャンボードはモカシンということもあり縦にボリュームのある作りになっていて、ウィリアムはシャンボードに比べるとやや低いたまご型になっています。受ける印象はウィリアムがポテッとした感じでシャンボードはコロンとした感じといったところでしょうか。
私はどちらも同じインソールを入れて履いているのですが、履き比べてみると実際シャンボードは足指まわりに縦方向の余裕があります。対してウィリアムは親指の爪が天井に触れる感覚があり、履きシワが指の付け根に当たっている感じもします。
履きシワが当たるのはストレートチップで、しかもインソールを入れているからというのもあると思いますが、幸いウィリアムはレザーが柔らかいので当たっても痛くないので問題はありません。
かかとの比較
かかとを比べてみると結構な違いがあります。
決定的な違いは履き口の高さ。
シャンボードの方が若干ヒールが高いということもあるので、シューツリーの隠れ具合を見ていただければ違いが分かりやすいと思います。
この履き口の高さがつま先の形状と合わさって靴全体の印象につながっています。一見似ているように見えても、比べてみるとシャンボードがボリューム感があり、ウィリアムがスマートに感じるのはこのためですね。
履き心地の違いは見た目ほどではなく、ホールド感に関して言えばどちらもほぼ一緒です。唯一違うところがあるとしたら、くるぶし下が当たるかどうかです。
私の履き口を見ていただいても分かる通り、シャンボードはくるぶし下が履き口に当たっています。流血するほどひどい靴ずれをする方もいらっしゃるほどで、シャンボードの洗礼と言っても良いかもしれません。
一方ウィリアムは全く当たることもなく、また当たったとしてもレザーが柔らかいのですぐに慣れてしまうことでしょう。
アウトソール
それぞれのソールはこんな風になっています。
左がウィリアムのマルシェⅡソール。右がシャンボードのパラテックスソール。
どちらもパラブーツの代表的な自社製ソールです。
ちなみにシャンボードのパラテックスソールに記された”RP”は創業者であり社名にもなっているリシャールポンヴェールの頭文字とのこと。そういえばパラブーツを国内展開する日本法人もRPJですね。
こうして比べてみると、双方のシルエットの違いが良く分かります。
このふたつのソール、私がインソールを入れているせいもあるのか、履き心地はどちらも遜色なく良好です。
マルシェⅡソールが一体成型であるのに対してパラテックスソールはヒールがセパレートになっているので、ヒールだけ交換できるというメリットがありますね。
見た目ではRPの文字やステッチが入る分、パラテックスソールの方が好みだったりします。
結局のところ
パラブーツの代表的なモデルであるシャンボードとウィリアムを色々な角度から比較してみましたが、いかがでしたでしょうか。
レースアップとダブルモンクという違いばかりに注目してしまいがちですが、並べて比較することでたくさんの相違点があることに気付くことができました。
両方履いてみた結論としては、結局それぞれに特徴があってどちらも良いというのが本音です。
このふたつの違いが分かってくると、ではアヴィニョンは?ミカエルは?となってしまい、墓穴を掘った感があります。
きっとこの2足では終わらない気がしてきたところで、シャンボードとウィリアムの比較記事を締めさせていただきます。
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