目の前に似たものが2つあると比較したくなるのは人間の本能でしょうか。それとも常にネタを求めるブロガーの性でしょうか。
夏の終わりに手に入れた2枚のポロシャツ。
ラコステL1212AとフレッドペリーM12N、ポロシャツ2大ブランドの看板モデルを比べてみました。
※以下、当記事内では便宜上L1212Aを「ラコステ」、M12Nを「フレッドペリー」と表記します。
比較① 生地
まずは生地の比較です。
どちらも目面の整ったキレイな鹿の子生地ですね。
よく見るとラコステの方が目が細かく、フレッドペリーの方が粗めの編みたてになっています。
凹凸の形が違うので、同じ鹿の子と言っても組織が違うのでしょうね。
薄手でしなやかなラコステと比べるとフレッドペリーはふっくらと厚みのある生地に仕上がっています。
着心地はスーピマを使っているだけあってラコステの方が肌触りが良いです。フレッドペリーはややドライなタッチで、生地に張りがあるので身体のラインが出づらいのがメリットですね。
比較② サイズ
1枚で着る機会が多いポロシャツはサイズ選びが重要です。
身長178cm体重68kgの私が選んだのはラコステが「3」、フレッドペリーが「38」というサイズ。
素人採寸なので参考になるか分かりませんが、手元の2枚を採寸してみました。
モデル | サイズ | 着丈 | 身幅 | 肩幅 | 袖丈 |
ラコステ L1212A | 3 | 71 | 50 | 43 | 22 |
フレッドペリー M12N | 38 | 65 | 49 | 43.5 | 23 |
(寸法はcm)
※サイズの計り方はリンク先の「Tシャツ全般」を参考にしました。
サイズの採寸について
大きく違うのは着丈ですね。6cmも違います。
フレッドペリーの公式サイトを見ると着丈は69cmとなっていますが、実寸は65cmでした。襟の上端から計るとちょうど69cmだったので計り方が違うのか、もしくは個体差によるものなのか。
実はラコステもフレッドペリーもどちらも気持ちゆったり目なのですが、1サイズ下だとぴったりすぎるのでこのサイズにしました。
鹿の子ポロシャツは洗濯で縮むという声を聞くので、そのうちジャストになってくれるのではと期待しています。
いずれ洗った後のサイズの変化も調べてみることにしましょう。
比較③ ディテール
デザインやシルエット。
その他、細かいディテールの違いがそれぞれのブランドの個性を作り上げています。
ワンポイントロゴ
両ブランドのアイデンティティである胸のワンポイントはラコステがワニのワッペン、フレッドペリーがローレル(月桂樹)の刺繍となります。
ラコステのワニは、テニスプレイヤーでブランド創設者ジャン・ルネ・ラコステのプレイスタイルから付けられたニックネームが由来。
フレッドペリーのローレルは勝利と栄光の象徴であり、ウィンブルドンのロゴに使われていたものをこれまたテニスプレイヤーで創設者のフレデリック・ジョン・ペリーが使用許諾を得て使い始めたものだそうです。
各ブランドともモデルによって大きさや位置などに違いがあるそうですが、どちらもブランドを代表するモデルなので、これがスタンダードということになりますね。
裾のスリット
細かいところですが、ラコステは裾両脇にスリットあり。フレッドペリーはスリットなしです。
折り返しの半分だけをスリットにするって、結構手間のかかる縫製ですよね。さりげないディテールですが、わざわざそこに手間をかけるあたりにブランドのこだわりを感じます。
襟まわり
ポロシャツの顔とも言える襟まわり。
前たての幅がラコステの方が広く、フレッドペリーの方が狭く作られています。
襟の形もラコステの方が幅広で緩やかなカーブを描く作り。一方フレッドペリーは幅が狭く直線的な作り。
ラコステが柔らかく優しい印象を受けるのに対して、フレッドペリーはどちらかというとシャープですっきりとした印象です。
袖の形状
双方ともアームホールの大きさはほとんど同じですが、ラコステは強めにテーパードされた袖がほぼ真横に向かって付けられています。細めの袖口が着た時に二の腕にぴったりとフィットし、腕を下ろすことによってあの独特なちょうちん型のシルエットを作ります。
対してフレッドペリーは直線的な袖がやや下向きに取り付けられていて、着用時に袖が身体に沿うように自然と下を向きます。そのため、ラコステに比べるとコンパクトなシルエットになり、ややかしこまった感じのきちんと感が出ます。
全体の雰囲気の違いは、実はこの袖の違いが一番効いているのではないかと思います。
間違いのない2大名作ポロシャツ
ポロシャツを代表するラコステL1212とフレッドペリーM12Nの比較をしてみました。
今まではロゴの違いやラインの有無くらいしか認識しておらず、あとは漠然としたブランドイメージだけで両者を捉えていました。
実際に比較してみると、思った以上の違いを発見することができ、その違いがそれぞれの個性を生み出していることが分かりました。
あくまで主観ですが、曲線を取り入れ、しなやかな生地で優雅なリラックス感のあるラコステ。
直線的でコンパクトなシルエット、ラインが入ってユニフォームを思わせる硬派なフレッドペリー。
ブランドの性格もさることながら、その根底にあるお国柄や国民性がデザインに反映されているような気がしてきます。
もちろん双方に優劣はなく、どちらを選んでも世界が認める名作ポロシャツだということは間違いありません。
個性ある2枚のポロシャツ。取り入れたいファッションや合わせるアイテムのシルエットによって上手に使い分けるのが良さそうですね。
コメント
この両ブランド、昨年の人気ドラマ
「逃げ恥」で星野源が隔週感覚で着用していましたね。
にっしーさん、コメントありがとうございます!
逃げ恥、見ていないのですがそうだったのですね^ ^星野源はレッドウィングも履くようなので、とても親近感があります!
人気ドラマの衣装までチェックしているとは、にっしーさんの情報収集力はスゴいですね!
私も見習わなくては。。。
「逃げ恥」は僕も今年になって、レンタルで見たんです。
昨年、職場で「恋ダンス」が話題になっていたのですが、僕は全然知りませんでした。
観てみるとドラマ自体も面白いし、星野源が演じる男性の「着こなし」に共感がもて
ました。さりげなく、少しオシャレする。くどく、やりすぎにならない程度に着こなして
清潔感や知性感を醸し出していましたね。肩意地はらずにスマートにオシャレするっと
いう感じかな?オシャレ好きな人はよくビームスやUAに来店しているけど、ちょっとやりすぎ感があったりして。僕はそれとは違う、リラックスオシャレスタイルが目指すところです。お金もそれほど高くかけないでね。
身の回りで話題になっているものを気負わずチェックする柔軟さが、にっしーさんのファッションに対しての適応力にもつながっているのでしょうね^ ^
頑張らないおしゃれというところは私もとても共感できます!年齢的なものか、またはエフォートレスという大きな潮流に流されているだけかも知れませんが、トレンドで身を固めるのではなく名品と呼ばれる普遍的でシンプルな定番を組み合わせて自己満足なスタイリングを楽しめるようになってきました^ ^
こうなると買い替えが減るのでお金がかからないと思いきや、気に入ったものは色違いが欲しくなるという落とし穴にはまってしまいそうです^^;