【レッドウィング 875】のお手入れ 〜Hori流メンテナンス術〜

早いもので今年ももう11月に突入。このところ急に寒い日が増えてきましたね。いよいよ待ちに待ったブーツシーズンの到来です。

夏の間に仕舞い込んでいたブーツを慌てて引っ張り出してきたという方も多いのではないでしょうか。

かく言う私も数ヶ月間シューズラックの番人と化していたブーツたちを少しずつ履き始めているのですが、やはり気になるのはブーツのコンディション。レザーの乾燥具合やアイレットまわりの錆、また念のためソールの減り具合やカビのチェックなどはしてから履くようにしています。

今日はそんな中で少し乾燥が気になった875のお手入れをしたので、その様子を紹介します。

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お手入れ前に各部のチェック

まずはお手入れ前の875の様子です。

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

うーん、カッコ良い!

、、、じゃなくて、乾燥してレザーのしなやかさが失われてしまっていました。
確か最後にオイルを入れたのが春先だったので無理もありませんね。

表面も乾燥で繊維が突っ張ってテカってしまっています。これはこれで良い雰囲気に見えるのですが最悪の場合クラックに繋がりかねない状態ですのでシーズン前に手入れが必要です。

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

よく見るとしばらく放置していた間にアイレットまわりに緑青が発生していました。

緑青(ろくしょう)は銅から出る青緑色の錆のこと。レッドウィングの一部のモデルに使われているアイレットは真鍮でできていて、真鍮に含まれる銅から発生するのだと思います。

緑青の付いたブーツはカッコ良いと思うのですが、付き過ぎはレザーに良くなさそうなので後で適度にキレイにします。

こうして見るとソールが随分反ってきましたね。最初は分厚くて木の板のように硬かった前ダブルミッドソールですが、時間をかけて少しずつ自分のものになってきました。

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

ソールはまだまだ残っています。舗装路と相性が良く磨耗に強いと聞いてはいましたが、3年履いてもこれしか減らないとは。減らないどころか、やっと角が取れたかな?程度です。
今シーズンどころか、まだ数年は大丈夫そうですね。コストパフォーマンス高いです。

最後に念のため内部のカビチェックをしたところ、カビはなかったのですがインソールが乾燥して硬化していたのでお手入れが必要です。アウトソールが反った状態で硬化したインソールは、履いた時にひび割れするリスクがあるので要注意です。

Hori流メンテナンス

今回お手入れに使ったのはこちらです。

Shoe care goods

  • シューツリー
  • クロス
  • ブラシ
  • 竹ブラシ
  • ステインリムーバー
  • デリケートクリーム
  • ブロア(カメラ用品)
  • レクソルコンディショナー

シューツリーを入れる前のひと手間

お手入れはシューツリーを入れるところから始めるのですが、今回はその前にインソールにデリケートクリームを。
インソールが硬化しているので、シューツリーを入れた瞬間にひび割れなんて笑えません。

塗ってしばらく置いて、インソールが潤ったところでシューツリーを入れます。

ブラッシング+αで徹底的にホコリを払う

シューツリーを入れたら全体を軽くブラッシングしてホコリを払います。
ブラシが届かない隙間は竹ブラシでシャカシャカ。竹ブラシも届かないこんなところはブロアでシュポシュポします。

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

エアダスターが手元にあればそちらの方が威力があって効果的かもしれません。

ステインリムーバーで汚れを落とす

ホコリがなくなったところで、ステインリムーバーで汚れを落とします。

クロスにステインリムーバーを染み込ませて軽い力で拭いて行きます。染み込ませる量は固く絞った雑巾程度。拭いた時にレザーに染み込むほどには使わないようにしています。

靴は毎日ブラッシングしていて汚れていないように見えても、地面を歩くものですから実は全体的に薄っすらと汚れていたりします。拭けていないところがあると、この後オイルを入れた時に汚れも一緒にレザーの中に染み込んでしまいそうなので、満遍なくキレイに拭きます。

あと、オロイジナルのようなオイルドレザーはこのような黒い汚れが付着することがあります。

擦った跡や、、、

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

アイレットやレースが当たる部分。

経験上、松ヤニや蜜蝋入りのオイルを使うとこのような汚れが付きやすいように思います。
この黒い固着物もステインリムーバーで何度か拭くとこのようにキレイになります。

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

気持ちが良いですね。

さらにひと手間で、ステインリムーバーを染み込ませた綿棒でアイレットまわりの緑青を落とします。落ちづらいところは竹ブラシでシャカシャカしてから綿棒で擦るとキレイになります。

レクソル コンディショナーを塗る

汚れが落ちたらいよいよオイルを入れます。
使うのは何でも良いと思いますが、私はリペアショップの福禄寿さんに塗っていただいてその仕上がりに感動したレクソルのコンディショナーを使います。

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

クロスに染み込ませて全体に塗って行きます。先ほどのステインリムーバーとは違い、レザーにしっかり染み込ませることが重要です。

レクソルコンディショナーは浸透性が高いので、塗って数十分で芯まで行き渡り、レザーが生き返ったようにリフレッシュします。柔らかいのですが、コシがあってしなやか。潤っているのですが、ベタつかない。使ったことのない方はぜひこの感じを味わっていただきたいです。

最後にレースを戻して、、、

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

ブラッシングをしたら出来上がりです。

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

あぁ、何でこんなにカッコ良いのでしょう。。。

【余談】今後のエイジング方針

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

この875には個人的なエイジングの方針があって、最終的にこんな風になったら良いなというビジョンがあります。

そのビジョンは言葉で説明するのは難しいのですが、ワークブーツらしい貫禄のあるアジをクリーム仕上げの光沢で閉じ込めるといった感じです。
そのために今はオイルで手入れをしてワークブーツらしいエイジングをしている最中なのです。

こんな手入れをしないでもっとラフに履いた方が早くアジが出るのは分かっているのですが、個人的に「アジ」=「お手入れしていても防げない経年劣化」と思い込んでしまっているので、こんな風になるべくキレイにしているのです。最終的なビジョンというのはゆっくりじっくり時間をかけて、いつかそうなれば良いなという感じです。急いではいませんし、ブーツは一生モノですから時間はまだまだあります。

[RedWing 875 Oro-iginal (Sole Customized)]

今後も変わらぬスタンスで靴と向き合って行きたいと思います。

コメント

  1. Ryemash より:

    こんばんは。
    手入れ前の姿も味が合って良い雰囲気ですが、やはり手入れ後のシュッとした感じが良いですね。
    ホコリ飛ばしにブロアを使うのは私もやっていますので、妙な共感を得ています。
    しかし、インソールのオイルアップは目から鱗でした。確かにインソールも革なので、乾燥するのも頷けます。次のメンテナンス時には参考にさせて頂きます。ただ、私の持っているオイルやクリームはどちらかというとロウ成分が多めなので、やはりサラッとした仕上がりのデリケートクリームが良いのでしょうか。

    • Hori Hori より:

      RYEMASHさん、コメントありがとうございます^ ^
      愛靴をお褒めいただきありがとうございます☆
      お手入れにブロアお使いですか!あんなにホコリ飛ばしに最適なものを持っていたら使わない手はないですもんね!
      インソールの保湿は誰しも必要かは分かりませんが、乾燥している時にはするようにしています。私は足の汗が多いので、特に乾燥しやすいのです^^;
      デリケートクリームは油分やロウが残らないのでこういう時には便利ですね。財布やベルトなど手で触れるものに使ってもベタつかないので重宝しています^ ^