夏に向けて靴を一足買いました。
パラブーツのローファー≪Coraux(コロー)≫です。
冬にブーツを増やしすぎた反動で春夏に履く靴が少なく感じられてしまい、以前から狙っていたコローを迎えることにしました。
スムース×スエードコンビの別注モデル
見ての通り、このコローはスムース×スエードのコンビローファーです。
同じようにプラグをスエードにしたコンビローファーはよく見ますが、コローのコンビは初めて見ました。
というのも実はこのコロー、日本のセレクトショップの別注モデルなのです。
茶系の夏用ローファーが欲しくてコローには目を付けていたのですが、アメリカはバースを持っているので躊躇していたところに現れたどストライクな一足でした。
スムースCafe × スエードMoka
色はスムース部分がCafe、スエード部分がMokaと表記されています。
Cafeと言ってもランスに使われているCafeとは色味が違います。
赤みの強いランスCafeはとても気に入っていますが、純粋なダークブラウンの方が白のボトムと合わせた時に夏らしくて良いですね。
おそらく追加のないワンタイム発注と思われるので、早めに手に入れられて良かったです。
パラブーツ コローとは?
シャンボードやミカエルなどのイメージが強いパラブーツですが意外とローファーの品揃えも豊富です。
有名なところではランス。
言わずと知れたノルヴェイジャン製法の人気モデルで、私も2足所有しています。
グッドイヤーのローファーで有名なのがダックスとアドニス。どちらもスマートなシルエットで、ダックスは合わせモカのややカジュアルな佇まい。アドニスはデュプイカーフを使ったドレスライン。
そして今回のコロー。
コローはどんなローファーなのでしょうか。
ペニーローファー
コローは切り込み入りのサドルが付いた、いわゆるペニーローファーです。
サドルの両端を丸め込んで縫い付けるビーフロールタイプです。
バースの派生モデル
コローはパラブーツの定番デッキシューズ≪バース≫をベースとした派生モデルです。
アッパーのデザインが違うだけで、木型や基本的な製法は同じです。
サイズもバースと同じ8.5で問題なしでした。
バースと全く同じサイズ感です。
マリンソール
基本設計が同じなので、ソールもバースと同じものが使われています。
濡れた甲板でも滑りにくいという吸盤状のパターンを持つマリンソールです。
ゴム自体も滑りにくいものが使われているようで、濡れたタイルの上などを歩くと、ギュッギュと音がします。
このソールの質の良さもパラブーツを選ぶ理由のひとつです。
キッカーバック
コローにはバースと同じくモカ縫いによるヒールキッカーが付いています。
船乗りが手を使わずに脱ぐために考えられたデッキシューズならではのディテールとも言われますが、実はヒールキッカーの付いたローファーも意外と多いです。
例えばセバゴや学生御用達のハルタにもキッカーバックローファーがあります。
傾向としてはビーフロールタイプのアメリカテイストなローファーに多いでしょうか。
ローファーはもともと「なまけ者」という意味のある言葉だと聞くので、ヒールキッカーは意外と相性の良いディテールなのかもしれません。
ノルヴェイジャンではなくマッケイ
パラブーツといえば登山靴にルーツを持つノルヴェイジャン製法が有名ですが、バースもコローもノルヴェイジャンではなくブレイク製法(=マッケイ製法)になっています。
奥に見えるのがマッケイ縫いのステッチ糸。
中底がなく一枚の革で足を下から包み込むような作りになっているのが分かるでしょうか。
スペイン製パラブーツ
ちなみに原産国もバースと同じくスペイン。
フランス製のイメージが強いパラブーツにあって、バースやコローは数少ないスペイン製となります。
おそらくフランスの工場にはノルヴェイジャンとグッドイヤーの職人しかいなくて、マッケイやセメントなど他の製法は全てスペイン工場が担うような分担があるのでしょう。
4足目のローファー
2016年にJ.M.ウェストンの180を買ったのが私のローファーとの出会いです。
あれから3年で4足ものローファーを持つことになりました。毎年1足増えている計算です。自覚はありませんでしたが、すっかりローファーにハマっていますね。
やっぱり履いていて楽ですし、カッコ良いですし、かといってキマりすぎないリラックス感もある。そんなところが好きです。
そして、ひと口にローファーと言ってもキャラクターは多種多様。これがハマっている一番の理由のような気がします。
デッキシューズ譲りの軽快さで、マッケイ製法のローファー。しかも初めてのコンビネーション。
コローは私のローファーの世界を広げてくれる一足になりそうです。
夏よ早く来い。
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