靴を一足買いました。
今回はちょっと趣向を変えて、伝統的英国靴であるトリッカーズです。
実は学生時分にカントリーブーツのモールトンを履いていたことがあるので、これが自身2足目のトリッカーズです。
およそ20年ぶりに買ったトリッカーズがこちら。
短靴の定番「バートン」です。
端正でいて重厚な由緒正しき名作
ここ数年はアメリカ靴のレッドウィングに始まり、フランスのパラブーツ、J.M.ウェストンなどを中心に履いてきたので、久しぶりに手にした端正で重厚な英国靴に背筋が伸びる思いがします。
伝統あるノーザンプトンの中でも最も歴史の長いシューメーカーのひとつであるトリッカーズ。
一足一職人のベンチメイドにより作られた靴は、凛とした佇まいに職人のプライドを感じさせるようです。
華やかなフルブローグ
トリッカーズのバートンといえば真っ先に思い出すのがこのウィングチップとメダリオンではないでしょうか。
このメダリオン、トリッカーズのオリジナルと思いきや、数多あるメダリオンの中でも最も一般的なデザインのひとつなんだそうです。他に比べ、穴が大きくて存在感があり、目にする機会も多いのでオリジナルだと思い込んでいました。
後方に目を移すと、美しいレザーの重なり合い。
そして、その端々に施されたピンキング(ギザギザカット)とパーフォレーション(穴飾り)。
バートンはいわゆるフルブローグと呼ばれる装飾的なデザインの一足です。
アウトドア由来のストームウェルト&ダブルウェルト仕様
バートンはルーツがハンティングシューズなので、堅牢性の高いストームウェルトが用いられています。
そして、ウェルトがぐるっと一周するように取り付けられるダブルウェルト仕様になっています。
ダブルウェルトはアメリカ靴に多い仕様ですね。
レッドウィングのオールアラウンドグッドイヤーも呼び方は違えど同じダブルウェルトです。
ダブルウェルトの最大の利点はかかと下にもコルクを敷くことができることです。クッション性が良く、沈み込みによるフィット感の向上に優れます。
例えばレッドウィングのベックマンとクラシックワークを比べた時に、クラシックワークの方がフィット感が高いのはこのためです。覗き込んでみると、クラシックワークはかかとも足の形に沈んでいるはずです。
アウトソールやシャンクの有無の違いだけではなく、構造の違いも履き心地に大きく影響しているのですね。
コルクは入っていませんが、パラブーツのノルヴェイジャンもダブルウェルトです。レッドウィングも含めてどれもハンティングや登山などアウトドアシューズ由来なのが興味深いですね。
英ハルボロラバー社のダイナイトソール
色々なソールで製造されているバートンですが、今回手に入れたのは一番オーソドックスなダイナイトソールのものです。
GMTさんが別注で出しているリッジウェイも捨て難かったのですが、ソールパターンに合わせてわずかに幅広に仕上がっているとのことでフィッティングが合わず断念。
このダイナイトソール、正式にはハルボロラバー社のダイナイトブランドから出ているスタッデッド(studded=スタッズ付き)ソールと言うのだそうです。ハルボロラバー社もイギリスの会社なので、英国靴であるトリッカーズとの相性は抜群です。
ちなみにリッジウェイソールもハルボロラバー社のダイナイトブランドです。
このスタッテッドはグリップ力があり、泥が落ちやすい構造になっているのでハンティングにぴったりだったようです。
革靴のソールとしてはメジャーな存在ですが、これが私にとって初めてのダイナイトとなりました。
ロイヤルワラントの証
トリッカーズはロイヤルワラント(王室御用達)を授かる由緒正しきシューメーカーです。
バートンのソックシートにもこの通り。
ロイヤルワラントの証であるロイヤルアームス(紋章)と”By Appointment to His Royal Highness The Prince of Wales(ウェールズ公殿下御用達)”の一文が記されています。
この三本羽根の紋章はプリンス オブ ウェールズのものであり、その称号は現在チャールズ皇太子に与えられています。
チャールズ皇太子は靴を大切に履かれる方なので靴好きとして尊敬しています。
そのチャールズ皇太子の紋章が付いているということが、個人的に少し嬉しかったりします。
サイズ選び
毎度のことながらサイズ選びは難航しました。
かつて履いていたモールトンはUK8.5。
バートンの木型の方がゆったりしているのでハーフサイズ下を選ぶ方が多いそうなのですが、UK8.0だと中指から小指が当たる感触があって危ない感じ。かと言ってUK8.5だとかかとが浮くといういつものジレンマ。
結局、インソールと靴下の厚さで調整すれば甲でホールドできるだろうということで、UK8.5を選びました。
プレメンテ
最近、靴によってはノーメンテで履き下ろすこともありますが、バートンはしっかりとプレメンテしておきます。
少し重めの光沢が欲しかったので、コルドヌリ・アングレーズのビーズワックスクリームにしました。
セットしているのは純正シューツリーです。
黒にゴールドのプレートというところが高級感があって良いですね。
フィット感はさすが純正です。
紐を外し、軽くブラッシングをした後、ペネトレイトブラシでクリームを薄く塗り、豚毛ブラシで均一に伸ばして行きます。
まずは右足。
左足も同じように塗ったらお手入れ完了です。
紐はパラレルかオーバーラップか迷いましたが、どちらも試してしっくり来たオーバーラップにしました。
最初なのでニュートラルだけで仕上げましたが、ある程度履き馴染んできたらつま先だけ濃い色のクリームで濃淡を付けてみるのも良いですね。
これからが楽しみです。
コメント
全く同じもの、もっています。
ちなみに、エイコーンとマローンの2色です。
いい靴ですよ。
にっしーさん、コメントありがとうございます^ ^
にっしーさんもお持ちでしたか!また被ってしまいました^^;
バートンは靴好きの方の多くが持っているイメージですね。遅ればせながら私も仲間入りできました^ ^
2色お持ちとは羨ましいですね。最初はエスプレッソかネイビーと思っていたのですが、一足目は定番というMyルールに従いエイコンにしました。キレイな色で大満足です^ ^
次は色違いか、ブーツにするか、早くも迷い始めてしまっています^^;
ちなみにエスプレッソはブーツでもっています。
セミブローグのフリスコ別注モデルです。てへっ。
エスプレッソもお持ちとは!
しかもセミブローグ。カッコ良さそうですね☆
調べてみるとダブルモンクなんかもあって、トリッカーズも沼が深そうですね^^;気を付けなければ。。。