靴を一足買いました。
この白いヴェールに包まれた靴は、パラブーツのReims(ランス)というローファーです。
J.M.ウェストンの180でローファーの良さを知り、2足目のローファーとして迎え入れたのがこのランスです。
パラブーツのローファーはランスの他に、もっとスマートなAdonis(アドニス)と、デッキシューズベースで軽快なCoraux(コロー)がありますが、ノルヴェイジャン製法でボリュームがあって、個人的に一番パラブーツらしいと感じるこのランスを選びました。
ブルームがスゴい
それにしてもこのランスはブルームがスゴいですね。
アッパーにに使われているのは、シャンボードなどにも使われている「リスレザー」です。
飽和するまでオイルを含ませた防水性の高いレザーで、放っておくと油脂とロウが浮いてこのように白く固着してしまいます。
シャンボードの時もスゴかったですが、今回のランスはさらに上を行く噴き出しっぷりです。
思わず嬉しくなってしまいますね。
履く前にブルームを。。。
さて、リスレザーの靴を履くにはまずこのブルームをなんとかしなければいけません。
クリーナーで除去?
いやいや、もったいない!
リスレザーのリスレザーたる所以であるこのブルームを取り除くなんてもったいない。
ここはブラッシングでもう一度レザーに戻してやるのがお作法です。
シャカシャカとブラッシングをすると、独特なヌメリ感のあるリスレザーが顔を出します。
カフェ、良い色ですね。この色にしてよかったと思う瞬間です。
さらにブラシでシャカシャカ。。。
払い落とすのではなく中に押し戻すように。
ブラッシングの摩擦熱でブルームを溶かすように。
一心不乱にブラッシングをすると、いよいよ姿を現します。
さらにもう片足も丹念にブラッシングすると。。。
ついに私のランスとご対面です。
うん、カッコ良いぞ。
重量級ローファーの各部をチェック
ブルームが消えたら早速各部のチェックです。
他の靴と同じところ、違うところ、色々な要素がこの靴を作り上げています。
レザーはリスレザー
レザーは前述の通りパラブーツを代表する「リスレザー」です。シャンボードのために開発された油分豊富な防水レザーで、私もシャンボードNuitでその素晴らしさは経験済みです。
色はカフェ。
シャンボードの色違いを買うとしたらカフェにしようかマロンにしようかと悩んでいましたが、これでマロンが優勢になりましたね。
カフェは赤みのあるダークブラウンで、経年変化が楽しみなレザーです。
ノルヴェイジャン製法
ランスはノルヴェイジャン製法のローファーです。
ノルヴェイジャン製法はアウトドアシューズを数多く手がけてきた同社の得意とする製法で、
防水性と耐久性を両立する堅牢な作りです。外見としてはL字に取り付けられたウェルトにステッチが2本入るのが特徴となります。
手持ちの靴で言うとシャンボードとウィリアムが同じノルヴェイジャン製法ですが、このウェルトのおかげで素朴な見た目と適度な重厚感、そしてほんの少しの可愛らしさを感じさせます。
ローファーと言うと、スマートでミニマルなデザインのものが多いですが、ランスはその真逆の存在と言えるかもしれませんね。
J.M.ウェストンの180と比べるとこの通り。
同じフランス製のローファーでも全くキャラクターが違います。この振り幅で色々な服装にローファーを合わせることができるようになりますね。
ちなみにこのランスのウェルトは波形のウェーブウェルト。
アウトドアシューズ由来のディテールですが、これも可愛らしさを添えるポイントになっています。
初めてのかぶせモカ
ランスは言わずもがなのUチップ、いわゆるモカシン縫いの靴です。
気付けば手持ちの靴の半数近くがモカシン靴という大のモカシン好きですが、「かぶせモカ」はこれが初めてです。
かぶせモカと言うとレッドウィングのカヌーモックのようにプラグ側が上から覆い被さる形状が一般的ですが、パラブーツのかぶせモカは別のパーツを上からかぶせて縫うという手の込んだ作りになっています。
このかぶせモカもこの靴のイメージを作りあげる重要な要素になっていますね。
お気に入りのマルシェⅡソール
ソールは自社製の「マルシェⅡ」。
ウィリアムと同じソールです。
ウィリアムを履いて1年弱ですが、一体成形による足馴染みの良さと、クッション性がありながら摩耗に対しての耐久性が高い印象で、とても気に入っているソールです。
ソールがこのマルシェⅡだからというのもランスを選んだ理由のひとつです。
ランスのサイズ感
J.M.ウェストン180を買う時もそうでしたが、紐で締め付けの調整ができないローファーはサイズ選びがとてもシビアです。
ただ、パラブーツの場合はJ.M.ウェストンのようにワイズが選べる訳ではないので、結果としていつものように幅が緩いのには目をつむって、つま先が当たらないギリギリのサイズを選ぶほかありませんでした。
結果、ランスはUK8.5です。
手持ちのパラブーツのサイズをまとめてみると、、、
シャンボード | UK8.5 |
ウィリアム | UK8.0 |
バース | UK8.5 |
ランス | UK8.5 |
となります。
ローファーで心配なかかと抜けですが、履いた感じランスは甲が低く、また反りの良いゴム底ということもあって、それほど心配ないかなという印象です。
さらに、ランスはJ.M.ウェストン180よりかかとのくわえ込みが深く、ライニングが起毛革に切り替えられているので、歩行中のかかと抜けには悩まされなくて済みそうです。
これで履き始め
さて、これでいよいよ履き初めですが、何か物足りないでしょうか?
そうです、今回はブルームをブラッシングしただけで、他には何もお手入れせず履いてみようと思います。
と言うのも、ネイビーのシャンボードがお手入れしているうちに黒くなってしまったというトラウマがあるので、色が違うとは言え同じリスレザーのランスも黒くなってしまう恐れがあるので、お手入れは最低最小限にとどめようと思うのです。
もちろん乾燥や色褪せやなどがあった際にはお手入れしますが、それ以外はグッとガマンしてブラッシングのみで履いて行こうと思います。
その上での経年変化は、また不定期にこのブログで紹介したいと思います。
コメント
ローファーいいですね!
私も一足欲しいのですが、
レッドウイングが優先順位で上なもので・・・
もし、ローファー買うとしたら、
ジャランスリワヤのネービーを考えています試着したらUK7でよかったので。
ただ、このパラブーツのランスも考えてた事がありましたが、お値段的にちょっとムリかなって感じです。
fishさん、コメントありがとうございます☆
ジャランのローファーは私も検討中です!J.M.ウェストンが気に入ったので色違いで薄茶が欲しいのですが、以前からジャランを一足履いてみたかったので薄茶はジャランにしてみようかなと思っています^ ^
ランスはローファーとしてはちょっとクセがありますが、この雰囲気がお好きでしたらジャランの次はランスも欲しくなってしまうと思われます^ ^